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誰も教えてくれない出産・育児にまつわるオトクなトピック3選【2021年最新】

誰も教えてくれない出産・育児にまつわるオトクなトピック3選【2021年最新】

出産や育児には何かとお金がかかります。育児手当や健康保険から出産育児一時金が支給されることは役所や病院、職場から教えてもらうことができ、手続きすることになるでしょう。

しかしながら誰も教えてくれないけど効果の大きい出産・育児にまつわるオトクなトピックも存在します。今回は次の3つを解説します。

  1. 医療費控除で払った税金が戻ってくる
  2. 育休の給付金を増やす方法
  3. ジュニアNISA

僕自身も2021年7月に子供が生まれたばかりでこれから利用するものが中心ですが、出産前から準備していないと損するものもあります。そして実際に損したのが僕です(泣)これから出産を迎える人が同じミスをしなくて済むように情報をお伝えしていきます。

男女に関係なく当てはまる内容なのでぜひ夫婦で相談しながら利用してみて下さい。

医療費控除で払った税金が戻ってくる

医療費控除とは

名前だけなら知っている人も多いでしょう。国税庁のウェブサイトを引用しつつ、具体的にどういうものなのか解説していきます。

医療費控除は、1年間に支払った医療費に応じて税金を減らせるものです。「控除」と付くものは税金を減らしてくれるものだと思っておけば大丈夫です。

医療費控除の金額は、以下のように計算します。

医療費控除の金額

医療費の自己負担額 – 10万円

医療費の自己負担額は、支払った医療費から受け取った保険金や手当金などを差し引いた金額です。

結果がマイナスになる場合は医療費控除を使うことはできません。これが医療費控除を使うことがあまり無い理由で、年間に10万円以上の医療費を負担することは珍しいかと思います。

年間の総所得金額が200万円以下の場合、差し引くのは10万円ではなく総所得金額の5%です

出産は医療費控除の使いどころ

ところが出産となると話は変わってきます。病院によって金額は変わりますが、妻の出産を例にすると普通分娩の費用は53万円でした。東京都内では60万円を超えることもあります。

ここから健康保険によって支給される出産育児一時金の42万円を差し引きます。

普通分娩の自己負担例

53万円 – 42万円 = 11万円

このように、出産に際して支払う医療費が10万円を超える可能性は高いです。

ただし、子供の入院費(およそ2〜3万円程度)についてもここに含まれていて、自治体の制度によって還付されることもあります。その場合は還付された金額を差し引いたものが自己負担額になります。

加入している健康保険によっては追加の給付金が用意されている場合もあるため、それも差し引きます。

以上を踏まえると一般的な例だと10万円を超えるかどうか…ではあるのですが、医療費控除の対象となるのは1年間に支払った医療費なので、出産費用だけではありません。

国税庁にとっても出産での医療費控除利用はメインとして想定されていて、専用の解説ページが用意されています。

こちらを見ると以下のような費用を医療費として扱うことができることが分かります。

医療費の例
  • 妊婦健診や検査の費用
  • 通院・入院時の交通費(タクシー代は、公共交通機関の利用が困難な場合のみ)
  • 入院費用に含まれる食事代(出前や外食は対象外)

出産時の入院費用については他の理由で入院した場合と同様のルールです。大きなポイントとしては差額ベッド代が対象になりません。追加料金で個室に移った場合でも、通常の部屋料金を基準に医療費の計算をしなければいけません。

自己負担での妊婦健診にはそれなりに高額なものもあるため、全てを合算すると10万円を超えるケースは珍しくないと思います。

夫婦のうち高収入の方が申告するとお得

医療費控除でポイントになってくるのは、同一生計の家族全員について支払った医療費を合算できるところです。

出産したのが妻だからといって、医療費控除の申告を妻がしなければいけないわけではありません。

医療費控除における控除は、支払った税金から直接差し引かれる「税額控除」ではなく「所得控除」というものになります。

例えば医療費の自己負担額が15万円であった場合、10万円を差し引いた5万円が医療費控除の金額です。

仮にもともとの所得400万円の人が申告した場合、本来は400万円をベースに計算する税金が395万円をベースに計算されます。

この例で戻ってくる税金は所得税20%と住民税10%で15,000円です(間違ってたらすみません)。

以上のように所得控除である仕組み上、医療費の自己負担額が10万円をほんの少し超えた程度では節税効果はあまりないので申告の手間も踏まえた上で利用するかどうか決めると良いでしょう。

日本の所得税は収入が増えるほど税率が上がる累進課税なので、節税効果が大きいのは夫婦のうち収入の多い方となります。

妻が産休・育休を長期で取得した場合は特に、その年の収入は少なくなってしまうはずです。収入の少ない方が申告すると損してしまうので注意して下さい。

レシート(領収書)を保存する

医療費控除を申告する上でレシートの提出は必要ありませんが医療費控除の明細書を提出する必要があり、ここに金額を記入する際に必要です。

また、申告内容が正しいかどうか疑われた際は税務署からレシートの確認を求められるケースもあるため5年間は保存が必要です。捨ててしまわないように注意しましょう。

ちなみに僕が損してしまったポイントの1つはここで、最初のころは医療費控除の存在を忘れていて僕自身が病院に行った時に処方された薬のレシートや、妻が自己負担で受けた妊婦健診のレシートを捨ててしまったのです…。

出産を迎える年の1年間は、家族全員分の支払った医療費についてレシートを保存しておきましょう。

通院時の交通費についてはレシートが出ない場合も多いかと思いますが、国税庁のページには家計簿に記録するなどして説明ができる状態にしておいて下さいと書かれています。

確定申告が必要

出産すれば利用できるケースが多いにも関わらずあまり知られていないのは、確定申告のハードルがあるためでしょう。確定申告することによって、支払った税金が戻ってきます。

まだ確定申告をしたことのない方は自営業者やフリーランスの「確定申告が大変…」という話を耳にして避けたくなるかもしれませんが、実際のところ会社員の確定申告は簡単です。

確定申告で大変と言われるのは「青色申告」で、医療費控除を申告する上でこれは必要ありません。

会社員の医療費控除申告についてはネット上にわかりやすい解説がたくさんあると思うので、ぜひ調べてみて下さい。

  • 同一生計の家族全員の医療費が対象
  • 出産の年に支払った医療費のレシートは5年間、自宅で保存する
  • 夫婦のうち高収入の方が確定申告をする



育休の給付金を増やす方法

次に解説する内容はすでに育休期間に入っている人は使えません。よって育休を取得予定の人に向けて説明していきます。

育児休業給付金の計算方法

育休の給付金は正式名称で育児休業給付金といいます。

ここでは簡単に受給額の計算方法について触れておきます。

給付金の金額は育休開始前の直近6ヶ月間に支給された賃金によって決まります。ここで言う賃金に賞与(ボーナス)は含まれません。

育休を開始してから180日間は、賃金の月平均に67%を掛けた金額が支給されます。

181日目以降は、50%を掛けた金額が支給されます。

これだけ聞くと「その金額で生活するのは大変…」と思うかもしれませんが、この給付金からは社会保険料などが引かれないので180日目までなら普段の手取りと金額に大きな差はありません。

例えば月平均が30万円なら180日目までは1ヶ月あたり約20万円、181日目以降は15万円が支給されます。

給料を増やす

賃金の大部分を占めるのは会社から支払われる給料ですから、給料が増えれば給付金も増えます。

給料アップにつながることの代表格といえば転職ですが、育休取得前はタイミングとして難しいケースが多そうです。また、労使協定で勤続年数が1年未満の場合は育休を取得できないルールも設定できるため注意が必要です。

契約社員などの非正規雇用の場合、1年以上の継続雇用が必須でしたがこの要件は撤廃されることが決まっています。

昇給を狙うことができればベストですが、そんな都合の良い話はなかなかなさそうですね。

一応、そんな都合の良い話を実現してしまったのが僕です。給与交渉によって昇給を実現した話については別の記事で解説していますので興味のある方は読んでみて下さい。

ゲーム会社のエンジニアが給与交渉したら年収100万円アップした話
ゲーム会社のエンジニアが給与交渉したら年収100万円アップした話現在の勤め先への給与交渉に成功して年収100万円アップを実現したことについて解説しています。...

月平均で10万円の昇給を実現したら、1年間の給付金は70万円増えます。チャレンジしてみる価値はあるかもしれません。

残業手当も含まれる

残業手当も当然ながら賃金に含まれます。よって育休取得前の6ヶ月間は残業を多めにすれば給付金は増えます。ですが…

出産する本人が残業をたくさんするのは身体への負担が大きいですし、男性も妊娠中の妻をサポートするために残業などせず帰宅する方が良いでしょう。

あまり現実的な手段ではないですが、頭の片隅くらいには入れておいてもいいかもしれません。

狙い目は交通費

多くの人に当てはまりそうなのが交通費(通勤手当)です。あまり知られていないかもしれませんが、交通費も賃金に含まれます。

マネーリテラシーの高い人は「交通費って経費だから含まれないんじゃないの?」と思うかもしれませんね。これは正解な部分もあって、税金を計算する上での所得には含まれません。

詳しい話は省略しますが税法上は経費、社会保険上は賃金として扱われます。

社会保険料は賃金に応じて段階的に上がっていくので、交通費を受け取ることによって社会保険料が増えて手取りが減る。なんてことも普通に起きます(社会保険料が増えると年金も増えるので、一概に良くない事とは言えません)。

交通費が増えれば給付金も増えます。といっても、交通費は住む場所によって決まるわけですからそう簡単には変わりません。

例えば引越しを考えている場合に引越し先が会社に近くて交通費が減るならタイミングを遅らせる交通費が増えるなら早めに引っ越すといったことが考えられます。

また、在宅と出社が選択できるような場合には出社を選択することによって交通費が支給され、賃金の平均額を底上げできるかもしれません。といっても残業と同じく出産が近くなった頃に在宅ワークができるなら無理をせず在宅した方がいいでしょう。

企業型の確定拠出年金に注意

これは企業型の確定拠出年金(以降、DC)かつマッチング拠出(自分からもお金を出す)を導入している会社に限った話なのですが、僕が実際に損した話なので書いておきます。

個人型のiDecoの場合「賃金として支給を受けたあと、天引き」なので育休の給付金には影響がありません。

ところがDCかつマッチング拠出を利用している場合、自分から拠出した金額が給料から天引きされて支給されます。

社会保険料や育休の給付金は、この天引き後の賃金をベースに計算されます。

よって拠出額を選択できる場合、育休を取得する直前の6ヶ月間は0円にしておけば給付金を最大にできます。

僕はこのことに気づかず、ちょうど育休を取得する6ヶ月前に拠出額を1万円から2万円に変更するという真逆のことをしてしまいました…。

月平均で2万円の賃金増減は、1年間の給付金に14万円の影響を与えます。たった1つの選択でこれだけ変わるので「DCかつマッチング拠出」の会社にお勤めの方はぜひこの教訓を活かして下さい。

ちなみに給付金には上限があり、改正によって減っている傾向です。2021年時点では賃金450,600円が上限です(67%支給の場合、301,902円支給が上限) 参考:厚生労働省 – 令和3年8月1日から支給限度額が変更になりました

(2021年8月3日追記)8月1日以降の上限が変更されたため、修正しました。



ジュニアNISA

最後にジュニアNISAの解説をします。ジュニアNISAは高校・大学などの教育費を準備するのに丁度良い制度です。

投資がテーマの話になりますので、投資知識のある方へ向けて説明していきます。初心者が誤った判断で利用して失敗しても責任は取れませんのでご了承下さい。

NISA口座(非課税口座)についてそもそもよく分からない方は、金融庁のWebサイトをチェックして下さい。

ジュニアNISAとは

NISA口座といえば「NISA(一般NISA)」と「つみたてNISA」が有名で利用者も多いです。もう1つのジュニアNISAは2016年にスタートして、名前こそ知られていてもほとんど使われていません。2020年12月時点の口座開設数は以下の通りです。

一般NISA約1221万口座
つみたてNISA約302万口座
ジュニアNISA約25万口座

ジュニアNISAは20歳未満限定で作れるNISA口座です。子供が15歳になるまでは、原則的に親が子供の代わりに資産運用することになります。

システムとしては一般NISA口座に近く、開設から年間最大80万円の投資を5年間できて、20歳になるまで非課税で保有できます。

20歳以降については自動的にNISA口座が開設され、移し替えが可能な仕組みでした。(でした。と過去形な理由は後ほど説明します)

あまり使われていない理由として20歳未満限定なのもありますが、最も大きな要因は18歳まで払出しができない仕様によるものです。

正確には払出しができないわけではなく18歳未満で払出しすると課税されてしまい、NISAの意味がなくなってしまう本末転倒な仕様なのです。

私立高校に行くことになって急遽お金が必要になった。でも払出しすると課税されてしまう…。という感じで、あまり使い勝手の良い制度とは言えません。

終了が決定したことで使える制度になった

その不人気さからか、ジュニアNISAは2023年末に制度が終了することになりました。残念な話かと思いきや、これによって皮肉なことに使える制度に生まれ変わったのです!

具体的には2024年以降ならいつでも非課税で払出しが可能になります。最大のデメリットであった18歳未満での払出し制限が撤廃された形です。

ただし2021年現在から利用を開始しても2023年に終了してしまうので投資期間は当初の5年間から3年間に縮んでいます。年間最大80万円なので、非課税枠は240万円ということになります。

投資可能な期間は3年間しかありませんが、購入した投資商品は子供が20歳になるまで非課税で保有できます。

制度終了前と違うポイントとして20歳になった時の移行先はNISA口座ではなく課税口座になります。現時点では途中で払出しするケースと20歳で課税口座へ移管されるケースのどちらが得なのか謎なので、その時が来たら要チェックです。

追加投資や投資対象の変更なしで保有し続けることになるので、長期的に成長が見込める投資対象を選ぶのが無難でしょう。具体的には、個別株や海外ETFよりも配当再投資型の投資信託がマッチしていそうです。

代表的なネット証券である楽天証券とSBI証券のジュニアNISAでは、楽天証券は国内株式と投資信託のみ、SBI証券は外国株式を含めた幅広い商品に投資可能という違いがあります。投資対象に合った証券会社を選択して下さい。

0歳から開始して利回り5%くらい出れば18歳になる頃には240万円の投資額が500万円ほどへ成長します。

いざ教育費が必要になって売却したい時に投資対象が暴落する可能性もありますから出口戦略こそ必要ですが、使い勝手の良くなったジュニアNISAは活用していきたいところです!

ジュニアNISAは優先するべきか?

とはいえ年間80万円の非課税枠を使い切る予算がない…という方も多いでしょう。

非課税枠を使い切る必要はないので無理のない範囲で利用すれば問題ないのですが「一般NISAやつみたてNISAとジュニアNISA、どちらを優先するべき?」という疑問もあるかもしれません。

これについてはすでにNISA口座を開設している場合はそちらの投資期間に制限がありますので、開設済の口座を優先した方が良いでしょう。

まだNISA口座を開設していない場合は2023年までジュニアNISA口座に投資し「資金に余裕ができたら or 2024年以降」にNISA口座を開設するのが現時点での最適解になるでしょう。

特に一般NISAについてはジュニアNISAと同じく2023年に制度が終了し、2024年から新NISA制度に移行することが決まっています。

そのため2023年までジュニアNISAを利用し、2024年から新NISAを利用するのはスムーズな流れになるでしょう。

つみたてNISAについても現時点では投資期間が2042年までの20年間とされているので2023年以降に開設すると投資期間が減ってしまいそうですが、過去に何度も期間延長になっていることを踏まえると後から開設しても損する可能性は低いと思われます。

将来的にジュニアNISAに相当する使いやすい制度が出てくる可能性もありますが、現時点では不明なので2023年で完全に制度終了となるジュニアNISAを優先することは現時点でのベストな判断と考えられます。

資金に余裕のある人は、両方とも使いましょう!

僕と妻はつみたてNISAを利用していて、これからジュニアNISAを利用するので2021年〜2023年の3年間で480万円もの非課税枠を使えることになります。これはめちゃくちゃ大きいですね!

2021年に開設すれば240万円、2022年なら160万円、2023年なら80万円と、開設が遅れるほど非課税枠が減るので利用を検討する段階になったらすぐに口座申込することをおすすめします。ジュニアNISA口座の開設には親の証券口座も必要なので、まだ証券口座を開設していない場合は早めに開設しておきましょう。

まとめ

今回の内容は難易度も高めで人によって当てはまらないケースもある話が中心でしたが、知識として知っていれば家族や友人に当てはまっていることに気づいてアドバイスもできるかと思います。

ご自身で利用できる方は利用して頂いて、そうでない場合も必要そうな人に情報をシェアして頂ければ幸いです。

ちなみに僕が今回のような知識をどこで仕入れたのかという話なのですが、FP(ファイナンシャルプランナー)試験です。

受験したのは6、7年前くらいですが、長期的に見て家計の改善にダイレクトに効いてきています。

一番簡単な3級の知識だけでも十分に使えますし、なんなら試験を受けなくてもテキストを読むだけでこの記事で解説したような知識を得ることができるのでおすすめです!